『熱血ブログ!!主計ファミリーの現場バカ日誌』は、安全や品質に関する情報の「共有化」や「見える化」を通じ、少しでも「配管業界全体の活性化」につなげたいという願いを込めて、次世代の配管総合企業を目指す主計管工株式会社がお届けしています。
2021/09/30
皆さんこんにちは、ケイ子です。今年の10月は小麦粉やたばこ、また大手電力会社やガス会社の値上げなど、私たちの暮らしに変化をもたらすトピックがいつも以上に多い時期になりそうですね。そんな中、私が一番関心を持ったのは、10月1日に埼玉県から施行される”エスカレーター「歩かない」条例”についてのニュース。私たちが普段何気なく利用している”エスカレーター”という便利な通行手段に、一体どのような理由があってこのような条例ができたのか、今回はそれを私のレポートにしたいと思います。
●エスカレーターの片側を空けるようになったのは?
日本で初めて片側を空けて通るようになったのは、高度経済成長期の阪急梅田駅のエスカレーターからだそうで、「速いことは良いこと」という、安全よりも効率を優先する価値観が、その頃の市民には根付いていたようで、東京都内でも1980年代には「片側を空けて急ぐ利用者に道を譲るのはよいマナー」という認識が広まっていったそうです。但しこの価値観や認識は、安全面においては、マイナス面に働くことの方がどうやら多いみたいですね。
●意外に多いエスカレーターの事故とその主な原因
ある意味良かれと思って始まったこの習慣ですが、東京消防庁によると、2017年にエスカレーター事故で搬送された人は1936人にも上り、日本エレベーター協会による事故原因の調べでも、2013年から14年に把握したエスカレーター事故の内、「歩行してつまずき転倒」など”正しい乗り方”をしていないことに起因する事故が、全体の約6割を占めているとの結果が出ています。同協会はこの調査の時「エスカレーターの安全基準は立ち止まって利用することを前提にしている」とも強調しており、それはつまり、エスカレーターを歩くのは”正しくない乗り方(=事故を起こしやすい乗り方)”と定義づけているという事でもありますね。
●2列を同時に利用することで考えられるメリットとは?
他にも日本エレベーター協会は「エスカレーターを歩く人にとっては到達時間の短縮になるが、エスカレーターを同時に乗れる人数は減る」と指摘していて、「特に朝のラッシュ時の駅で電車から降りた人を一気にさばく上では、両側に立つ方が輸送効率が高まる」そうです。これは要するに、「全員が”正しい乗り方”をすれば、より多くの人がエスカレーターの渋滞に合わずに、しかもより安全に、より早く目的地に到着する」という事ではないでしょうか?そういわれてみると、片側は空いてるのに大勢の人が並んでるエスカレーターって、特に朝夕のラッシュ時によく見かけますもんね。
急いでいる人にとってはまだまだ異論がありそうな今回のテーマですが、歩行中に人や荷物と接触したり、バランスをくずして転倒する可能性が高くなる利用方法を、この条例の施行を機に一度考え直してみてはいかがでしょうか?いくら大事な用があっても、それが原因で事故を起こしてしまえば元も子もなくなりますものね。というわけで今回の私のレポートを終わります。それでは皆さん、次回までごきげんよう!