『熱血ブログ!!主計ファミリーの現場バカ日誌』は、安全や品質に関する情報の「共有化」や「見える化」を通じ、少しでも「配管業界全体の活性化」につなげたいという願いを込めて、次世代の配管総合企業を目指す主計管工株式会社がお届けしています。
2021/06/30
皆さんこんにちは、ケイ子です。さて、今回私たちの参加したフォーラムが開かれたホテルの一角に、とても広い”薩摩切子”のギャラリーがありました。所狭しと展示された作品の一つ一つがとても魅力的だったので、偶然通りがかった私たちもしばらくの間足を止め、引き入られるようについつい魅入ってしまいました。というわけで私のレポートは、鹿児島県が日本に、いいえ、世界に誇る工芸品、薩摩切子の魅力についてお伝えしたいと思います。
●薩摩切子の誕生から現在まで
日本で”切子”と呼ばれるカットガラスには、特に有名なモノとして江戸切子、薩摩切子の2種類があり、誕生は江戸切子の方が早く、製法が確立したのは、1830年代からだといわれています。その技術が江戸から薩摩に伝わったのは、名君として有名な島津斉彬が薩摩藩藩主だった1850年代で、切子を気に入った斉彬の肝入りで、薩摩独自の製法や発色の研究が進められ、その結果、念願の”薩摩切子”が生まれました。独特の色合いで人々に愛された薩摩切子だったのですが、斉彬の死後に急速に衰退し、ついには製造が途切れることとなります。なので、現在作られている薩摩切子は、島津家に残されていた資料や薩摩切子をもとに復元されたもので、鹿児島県の限られた匠たちの手によって蘇り、現代の私たちを今もなお魅了し続けているんですね。
●薩摩切子と江戸切子の違い
次に、薩摩切子と江戸切子の違いについてお話しします。まずはそれぞれの起源について。薩摩切子の誕生が先にお話しした通り、島津藩御用達として生まれたのに対し、江戸切子は当時の庶民文化のニーズから生まれたモノのようで、食器、風鈴、重箱、墨置き、手拭いかけなど、日々の生活に根差したモノが、江戸切子で作られるようになりました。また、この当時の江戸切子は、無色透明なガラスに細工を施したモノがほとんどだったんですが、それとは逆に、薩摩切子は着色されたモノが多く、カットデザインについても、シャープな印象の江戸切子に対し、薩摩切子は、色にグラデーション効果が表れる、”ぼかし”という技法を用いて、色の濃淡が楽しめるようになっています。さて、あなたはどちらがお好みですか?
最後に、今回紹介した薩摩切子に代表される日本のガラス工芸品には、他にも琉球ガラスや津軽びいどろ等、世界に誇れるモノが数多く存在しています。外食については様々な制限のある今、少し贅沢な”家飲み”を楽しむために、どれか一つでも気に入ったモノを買っちゃおうかな?っていう気分になってしまう今回のレポートでした。中でも特に薩摩切子に興味がある!っていう方は、是非本場の鹿児島県を訪ねてくださいね!それでは皆さん、次回までごきげんよう!