『熱血ブログ!!主計ファミリーの現場バカ日誌』は、安全や品質に関する情報の「共有化」や「見える化」を通じ、少しでも「配管業界全体の活性化」につなげたいという願いを込めて、次世代の配管総合企業を目指す主計管工株式会社がお届けしています。
2020/06/22
皆さんこんにちは、ケイ子です。さて、今回のパパのレポート内容にあった「嬉しい誤算」を表す言葉のひとつに”セレンディピティ”というモノがあります。もう少し踏み込んだ意味としては「幸運な偶然が重なって起こる出来事や経験」なんだそうで、イギリスの19世紀の童話「セレンディップの3人の王子たち」がその名の由来です。セレンディピティの歴史的な例としては、レントゲンによるX線の発見や、フレミングによるペニシリンの発見などがあり、前者は別の研究過程でのある気付きが、後者は実験中の偶然のミスが、それぞれに本来の目的意外の「思わぬ幸運」をもたらしたと言われています。他にも身近なモノのセレンディピティ事例がいくつかあるので、今回はその中の3つを紹介することにしますね。
セレンディピティその1 面ファスナー(マジック・テープ)
”マジック・テープ”という商品名でおなじみの面ファスナーは、スイスのある工学者の何気ない一日がきっかけとなって発明された製品です。ある日の愛犬との登山の帰り道、彼は自分の服や犬の毛に、たくさんの野生ゴボウの実がくっついているのに気付きます。不思議に思った彼はさっそく顕微鏡を覗き込み、その原因が実の表面を覆っているフック状のトゲにあることを突き止めました。これに着想を得た彼が研究を重ね、数年後に完成したのが「面ファスナー」で、何度くっつけても剥がしても使用できる便利さから、現在も様々な製品に使われています。この例は、日常生活の小さなハプニングに潜んでいたセレンディピティを、技術者としての彼の純粋な好奇心が掘り起こした一例と言えますね。
セレンディピティその2 付箋(ポスト・イット)
今や付箋の代名詞になっている”ポスト・イット”は、もともと強力な接着剤の開発に取り組んでいた研究員の失敗で出来た「よく付くけど、簡単に剥がれる」接着剤を、同僚の研究員が賛美歌集に使う「しおりが落ちない糊」として使おうとした事で開発が進み、それまでになかった「糊の付いた付箋」すなわちポスト・イットの誕生に繋がりました。これは、誰かの意図に反して偶然できた「失敗作」に、それを必要としている誰かがその「用途」を見つけることにより起こった、チームプレイによるセレンディピティですね。
セレンディピティその3 アイスクリームとコーンカップ
今では当たり前すぎるアイスとコーンカップの組み合わせですが、その食べ方のきっかけは、1904年にアメリカのセントルイスで開催された万国博覧会の期間中にありました。当時、アイスクリームは紙皿に載せての販売が普通でしたが、その日は猛暑でアイスクリームが飛ぶように売れました。それは良いのですが、ある一画で出店していたアイスクリーム屋さんの店主の読み違いで、アイスクリームはまだ十分に残っているのに、紙皿が足りないというトラブルが起きてしまいます。この時、偶然隣でウエハース状のワッフルを売っていた店主が、「紙皿がないなら代わりにこのワッフルをコーン(円錐形)のように巻いて、アイスクリームの器にすればいい!」と販売をスタートし、器まで美味しく食べられるこのアイデアはまたたく間に会場全体に広がり大ヒット!結果的には現在にも受け継がれるスタンダードな食べ方となっています。これぞまさに「窮すれば通ず」を地で行く、なんとしても自分の商品を売りたい!という熱意が産みだしたセレンディピティでしょう。
セレンディピティにまつわるこれらのエピソードの全てに「結果的に幸運な偶然」が作用しているのですが、その裏には、全ての登場人物に共通する「日頃からの弛まぬ努力」が、これらの幸運を引き寄せる一因になっているのではないでしょうか?というわけで本日のレポートはここまで。次回まで皆さまごきげんよう!